浴室の壁に磁石でくっつく洗面器を自作する

「洗面器を風呂場にどう置いておくか」を色々と考えた結果、使い慣れた洗面器の底面に磁石をうまいこと貼り付けると壁に収納できて便利だというのがわかったのでまとめておきます。

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そもそも洗面器の微妙な点

洗面器は普通に置くと結構面積があるので場所をとります。
しかも口が上に向いていると水切れが悪いという問題点もあります。

吸盤とフックの洗面器ホルダー

自分はずっと吸盤とフックでできた洗面器ホルダーを使ってきました。

しかし、以下のような点が微妙なのでどうにかしたいと思っていました。

  • 吸盤がヘタってしまうと、一定時間でフックごと落ちるようになってしまう。そうすると風呂場の方から「ガタコーン!」と音がして驚く。
  • 決まった角度でフックに差し込まなくてはいけないのが少し手間。
  • たまに差し込み方が悪いと、フックが吸盤から外れてしまう。

浴室の壁に磁石がくっつく事を活かしたい

すべての浴室がそうではないのですが、大抵の浴室の壁には磁石がくっつきます。
うちの浴室の壁にも磁石がくっつくことを確認できたので、これを活かそうと思いました。

フックをマグネットで付けるタイプ

フックを吸盤ではなく磁石で付ける製品が見つかりました。

しかし専用の洗面器とセットになっていたり、風呂椅子まで付いてきて微妙です。
さらにレビューを見ると、どうやら結局磁石が外れた時のために吸盤が付いているらしく、それがあっても落ちてきてしまうこともあるようです。

それを見ていて、もうフックそのものが不要なのではと思い始めました。

洗面器に直接磁石が付いているタイプ

すでに以下のような洗面器が販売されていました。

ただし「洗面器 マグネット」などで検索してもこの製品以外で直接磁石が付いた洗面器は見つけられませんでした。
需要がニッチすぎるとか、洗面器は風呂椅子の上に置いておいたり立て掛けておくので十分という人が多いのかもしれません。

しかしこの製品、レビューを見てみると「小ささ」に言及されているのが目立ちます。
自分も実際に東急ハンズに行って実物を見てきました。

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たしかに小さい。

この製品は容量が2.0L。
自分が現在使っている物は3.3Lなので、3分の2以下になってしまいます。
今の洗面器としての使い勝手はそのままに、収納方法だけを改善したかったので、この製品は選びませんでした。

手頃な磁石を貼り付けてみる

以前ハワイで買ったマグネットが特に使い道も無く眠っていたので、それを試しに洗面器の裏側に貼り付けてみました。

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壁に固定できるかが確認できればいいので、マスキングテープで仮止めしただけです。

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以下の通り洗面器が上手く壁にくっつきました。
マグネットシートによる摩擦が上手く作用しているようです。

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マグネットシートだけでいいのでは?

これだけの面積のマグネットシートがあればくっつくというのがわかったので、次に無駄な要素を省いてちゃんと接着しようと思いました。
そのために、マグネットシートだけを剥がして、絵柄が印刷された紙とフィルムを捨てました。

そうして得られたマグネットシートだけを同じようにマスキングテープで洗面器に仮止めしたところ、今度はくっつかなくなってしまいました。

もともと洗面器の底面は、周囲がリング上に盛り上がっていて、中央がヘコんでいます。
そのため、マグネットシートだけをヘコんだ面に貼り付けると、壁との距離が離れすぎてしまい上手くくっつかないのでした。

微妙な厚さが重要だったんですね。

小型化と厚さ調整のためにネオジム磁石を追加する

厚さを追加するためにシート状のゴムなどを買って来ることも検討しましたが、家に転がっていたネオジム磁石を使えば、2mm程度の厚さが得られる上に磁力の強化もできるだろうということで、以下のように組み合わせて… f:id:moyashipan:20200309031601p:plain

以下のようにマグネットシートが外側に来るようにしてマスキングテープで貼り付けたところ、「適度な厚さ」「マグネットシートによる摩擦」「ネオジム磁石の強い磁力」によって、問題解決と同時に小型化もできました。 f:id:moyashipan:20200309032244p:plain

3Dプリンターで土台を作る

ネオジム磁石とマグネットシートの組み合わせで上手くいくことはわかったのですが、それだけだと

  • ネオジム磁石をそのまま貼り付けてしまうと、ネオジム磁石が錆びてしまう
  • マグネットシートの方が面積が広いのでペロペロとめくれてしまう

といった問題があるため、Fusion 3603Dプリンターで以下のような土台となるパーツを作ってみました。

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2つの穴はネオジム磁石がちょうど入る大きさです。

また、マグネットシートがちょうど真ん中に固定できるように、かつマグネットシートが表面に露出できるように、マグネットシートの厚さよりも低いフチが周囲に作ってあります。

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それらを以下の接着剤でパーツに貼り付けました。

パーツ自体はPLAという樹脂なのであまり接着剤にこだわる必要は無いのですが、

といったことを重視して今回この接着剤を選びました。

また、洗面器の底面の中央は微妙に出っ張っているので、その部分だけパーツ側も凹ませてあります。

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こうして、以下のように固定しました。

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できあがり

わかりやすいように、金属製のものさしにくっつけてみました。しっかりくっついています。

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試してみたら、天井にもくっつきました。 f:id:moyashipan:20200309040011p:plain

さいごに

洗面器の底面に磁石を付けて壁にくっつけておくようになってから1ヶ月ほど経ちましたが、剥がれる様子もありませんし、洗面器を使うにあたっても困ることは見つかっていません。

今回は一部3Dプリンターを活用したのでそのままだと試せる人は限られてしまうかもしれませんが、洗面器の底面の作りだったり、マグネットシートの選び方によってはもっと単純な工作で同様のことができるかもしれません。

ぜひ試してみて快適な壁洗面器ライフをお過ごしください。

まぁ時が経てば、強い磁石付きの大きい洗面器が販売されてるかもしれませんけど!