賃貸ワンルームでも可!塗装ブースをトイレに設置したら便利
はじめに
この記事では「賃貸&ワンルーム&ペットがいる、という状況でもエアブラシや缶スプレーで塗装することを実現するために、塗装ブースをトイレに設置してみた」ことについて紹介します。
きっかけ
かつてペットを飼っていなかった頃は、エアブラシや缶スプレーでの塗装をする際には、ベランダへ出るための窓(掃出し窓)を開け、体は室内側に少し置いたまま外に向かって吹いていたのですが、夏暑く冬寒いのが困りごとでした。
その後、引っ越しを行い、猫を飼い始めました。
それにより、掃出し窓を開けた状態での塗装だと猫がベランダへ逃げてしまう危険性が出てきました。
また、物件が賃貸のワンルームなため、猫から隔離された状況での塗装が難しく、当初は風呂場で以下のような簡易塗装ブースを使い、サーフェイサーなどを吹いていました。
しかし、拭き終えてから床などを見ると、かなり粉が飛散していることがわかりました。
それを解決するために、ファン付きの塗装ブースをリビングに置こうかと考えたのですが、
- 仕事や食事をするデスクに置くことになるので邪魔
- ペットもいる部屋なので換気が心配
- 塗装ブースの排気を窓の隙間から行うので、結局その部分から冷気が流れてくる&猫がこじ開けて逃げる可能性がある
ということからリビングに置くことは難しいと考えていました。
ちょうど良い場所「トイレ」
塗装ブースをどこに置けばいいのかを考えながら、ある日トイレの換気扇のフィルター掃除をしていたところ、フィルターとカバーを取り外すとなんともわかりやすいダクトがあることに気づきました。
それにより、急にトイレが以下のように「塗装に適した空間」として浮かび上がってきました。
- トイレの換気扇はカバーを外すとダクトを繋ぎやすい形状をしている
- これは建物によっては工夫が必要だと思いますが…
- 窓を少し開けるのに比べて、冷気を取り込まずに効率的に排気ができる構造
- 引き戸を閉じれば防音性が増し、ペットを入れさせないようにできる
- トイレタンクの上に棚を作れば、畳んだ状態の塗装ブースを置いておける
- これも建物によっては十分な空間が無い可能性はありますが…
- トイレのもともとの特徴から、有機溶剤などの匂いも生活空間に漏れ出しにくい
後ろに重心がある折りたたみ式塗装ブースが置けて、換気ダクトを繋げやすい場所を見つけた気がする pic.twitter.com/Rz1l3Qdukr
— もやしパン (@Moyashipan) 2022年12月19日
準備・手順
トイレタンクの上に棚を作る
実は塗装ブースを置こうとする前から、我が家では畳んだダンボール箱を置いておくために、トイレの上に棚を作っていました。
トイレタンクの上に手洗い吐出口が無いのであれば、ホームセンターで板を切ってもらい、硬めのスポンジなどで高さ調整を行うことでトイレタンクの上に棚を作れます。
なお、板が手前に倒れてこないように、スポンジはできるだけ外側に配置したほうが良いです。
以下の写真は、まだスポンジの位置が中央寄りで前に倒れやすかった頃の物。
板の方に接着剤でクッション材を取り付けて、トイレタンク上のDIY棚完成。
— もやしパン (@Moyashipan) 2021年7月18日
いずれ見た目が気になったらロールカーテンを付けるかも pic.twitter.com/HHij1P7xnA
寸法は以下を参照してください。
真似したい方は
— もやしパン (@Moyashipan) 2023年1月21日
・以下の販売ページで寸法を確認https://t.co/h2xBkM4VJD
・トイレタンクの上に棚を設置
してからどうぞ。
補足:
・少し前屈みになればブース展開したまま便座に座れます
・ダクトが外れるとブースが倒れる可能性があるので、排気口に固定する工作が必要です pic.twitter.com/YlAVURwuPw
トイレタンクに荷重がかかるのが不安な人は、メタルラックなどを床から設置するのも良いかもしれません。
塗装ブースを買う
トイレタンクの上の棚の上に設置するために、以下の条件を満たす塗装ブースを探しました。
- 折りたたんで邪魔にならないサイズ
- 後ろに重心がある
- 上向きに排気ダクトが伸びている
そこで以下の塗装ブースを買いました。
設置してみる
実際に設置してみると狙った通りでした。
塗装ブース届いた!
— もやしパン (@Moyashipan) 2022年12月23日
うちのトイレのために作られたようにハマって感動…。
天井のダクトにつなぐ用のパーツを設計して3Dプリンターで出力しよう pic.twitter.com/MzxnPKapWr
折りたたんでいる状態では棚のサイズに収まり、組み立てた際にも重心が後ろ側にあるので、張り出した塗装エリア上にツールウォッシュや充電式エアブラシなどをある程度置いておいても大丈夫でした。
排気ダクトをつなぐ
我が家のトイレには窓が無いため、トイレの天井の換気口に塗装ブースの排気ダクトを固定する必要があります。
そこで、塗装ブースの排気ダクトと換気口をつなぐためのパーツをFusion360で設計し、3Dプリンターで出力しました。
それを設置した様子が以下です。
塗装ブースのダクトをトイレの換気口に繋ぐやつできた pic.twitter.com/yksmjmYnbR
— もやしパン (@Moyashipan) 2022年12月23日
ただし換気口よりもパーツの直径を小さめにしたので、摩擦が足りなく固定がしにくかったので、テニス用のグリップテープを巻いてギチッとハメ込めるようにしました。
もし同じことを試したくて、トイレの換気口の直径が93mmだという方からTwitterでリプライをもらったら、上記のパーツのデータをThingiverseにアップロードするかもしれませんので、一言ください。
ノイズキャンセルイヤホンを着用する
塗装ブースは最大でファンを回すと結構な騒音を出します。
トイレのドアを閉めればリビングなどへの音は防音できるのですが、塗装している本人にはストレスです。
そこで、もともと持っていたAirPodsProを着けて作業してみたところ、まったく気にならなくなりました。
防毒マスクや手袋を着用する
これはトイレでの塗装に限らないのですが、塗装ブースで換気をしていても少量を吸気してしまう可能性は残るため、自分は以下の防毒マスクを着用して塗装しています。
匂いも気にならなくなりますし、一定期間の使用後にフィルターを見てみると黒くくすんでいるのが確認できるので、肺でそれを受け止めるのを防止できていると考えるとあった方が良いと思います。
また、塗料やサーフェイサーが手に触れると手が荒れたり洗うのが面倒だったりするので、ニトリル手袋を着用して作業しています。
ただし、うすめ液やツールウォッシュが手袋に触れる場合には、ニトリル手袋だと浸食されて肌まで染みたり穴が空いてしまうため、そういった物を扱う場合にはポリエチレン手袋を着用しています。
使ってみた結果
とても便利です。
- 排気はダクトから行われ、開けた窓と違って吹き替えしてくることもなく、外の温度が流れてくることもありません
- ファンを最大まで回していても、他の部屋に響きませんし、作業者自身もノイズキャンセルによって気になりません
- 塗装ブースに付いているLEDがとても明るいので、トイレ自体の明るさを気にしなくて良いです
- トイレを使いたくなった時にも、トイレの蓋を開けられるだけの位置に塗装ブースがありますし、展開したままでも少し前屈みに座ればトイレを使用できます
注意すべき点
- 立ちっぱなしで作業することになるので、脚が疲れる
- 作業が一段落したり、エアブラシのバッテリーが切れたタイミングなどで、座って休憩するようにしています
- ダクトを固定していないと、外れて前に重心がかかり、塗装ブースごと倒れてくる可能性があるので、使用中はしっかり固定する&しばらく使わない時にはダクトを短くしておく
- トイレの蓋を開けたまま作業しているとパーツなどが落ちる可能性があるので、閉めた状態で作業する
まとめ
自分はわりと都心に住んでおり、言わば"うさぎ小屋"と例えられるような、作業部屋など無いワンルームに住んでいますが、今回のような工夫で自宅に塗装ブースを設置できました。
間取りなどによってはそのまま真似できない可能性もありますが、この記事が、同じように塗装ブースの設置に悩んでいる方のヒントになれば幸いです。